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たんぽぽ 69号

 
ごきげんいかがですか

  理事   松田とし子 
 
 

  これを今読んでくださっている、どなたかのお宅に向かうために、毎週同じ頃に同じ道を通ります。 たいがい時間に追われ、せわしなく通りすぎますが、ふと気がつくと、今まで、太陽がまぶしかった道に、木の影が差し、ほっと涼しさと秋を感じます。(これを書いている頃はまだ、残暑が厳しかったもので)
 最近、離れて暮らしている母がすっかりやる気をなくしてしまいました。長く祖母を看てきた母ですが、その祖母を送った後は、病の総合商社。 成人病のオンパレードとなり、年相応に疲れてきています。 苦労したものねぇ・ ・ ・ ですが! それ以上にやる気がなくなってしまいました。 一日中椅子に座ったり横になったり。 食べることすら面倒のようです。 父も健在。 同居する家族もいます。 とりあえずの生命活動はしていますが、父が 「何か作って」 と朝食の準備を促しても 「・ ・ ・ ・ 」 座っているだけ。 再三の声かけにも動かないと、これまた、足の弱っている90近い父がかいがいしく動くわけですが、父も疲れてきています。 母に 「お父さんが倒れたらどうするの?」 と言うと、 「だって、かったるいんだもの」 と。 みんなかったるいです。 でも、 「でも、やらなければ」 と、しぶしぶ、毎日の家事をしているのです。 どうして、出来ないの! と私がいらついていました。
 でも、最近、突然の不安感、倦怠感(これは、なまけ病かもしれませんが)、急に体が熱くなったり ・ ・ ・ 自分の更年期を感じるようになりました。 これが年をとるということ? 自分も若いころはもっと働き者で、人並み程度に家事をしていましたが、 今は、 ぐうたら亭主さながら、 ぐうたら母さんになっていました。 やらなくてはと思っても、体が動かない。 頭と口と体がきちんとつながらない。 母はこれがもっと進んだ状態なのかしら。
 どうしたもんじゃろのう?
 たくさん苦労してきた母には楽しい今を過ごして欲しいと思ってきました。 母にとって 「今の一番」 が何なのかを考えてしまいます。 母にとっての一番と私にとっての一番は違います。 どこで折り合いをつけたらよいのでしょうか。



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