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たんぽぽ 72号

 
ごきげんいかがですか

  理事  松田とし子 
 
 

 今年の梅雨から夏にかけては、何だか変な陽気でしたね。雨の時期が夏のようで夏は梅雨のようで・・・利用者さんのお宅で季節を間違えたかのように花が咲いていました。自然ってすごいなあ。

 一年前ここでお話しさせていただきました母の様子ですが、元気とまでは言えませんが頑張っております。ただ、つくづく難しいと感じたのは、一番良いと思う対応が本人と私とで違うだけでなく、父、兄姉、皆少しずつ違うということです。母は全て他人の手頼りですが「そこで手を出したらだめ。もっと自分でやらせないと」「だって、可哀想じゃないか」「まあほどほどに」ワイワイがやがや。少しでも長く今の状態を保てるようにと考える人と、とにかく安らかでいて欲しいと思う人と。母を思う気持ちは同じなのにおもしろいですね。

 話は変わりますが、十年ほど前からよく美術館に行くようになりました。それ以前の人生では絵画なんて全く興味がありませんでした。ある時、主人に誘われ、すっごく行きたくなかったのですが「久しぶりにデートをしようと口説かれて、人生初めて行った展覧会は、渋谷Bunkamuraのミレイ展。これが意外と良かったんです。何でも経験してみるものです。それ以来60ほどの美術展を見に行っています。

               
ちょっとお気に入りは山種美術館。小じんまりとして落ち着いた雰囲気で日本画を所蔵しています。展示数が少ないので、ゆっくりと気持ち良く堪能できます。帰りには必ず東京土産に美味しい物を一つ買って帰ります。
 私にとっては、絵を見る事はもちろんですが、日常と違う所へ主人と行く事がとても楽しいのです。普段会話が少なく考え方も随分と違う二人ですが、
時々こうして仲良さそうにお出掛けするのは楽しいです。二人は、別々に好きな事をしながら並んで歩いていても、時々てをつないで、また離れる。適度な距離感を作れていると思います。主人も高齢者の枠に入るようになりました。行かれるうちに二人で沢山の所に行っておきたいとしみじみ思う年代になりました。

 夏の音から秋の音へと季節が移り変わってきました。どうぞ皆様が心優しいひと時を過ごしていただけたらと思っております。




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